初恋のMさん(1) 恋の再燃
久しぶりの同窓会とあって、集まった人数はそれほど多くなく、私が旧友と談笑している視線の先に、一人テーブル席に座り私の方を見ている彼女がいました。
私は彼女との別れが自分の責任だったと自覚していたので、自分から話しかけるのを躊躇していましたが、当時の私と彼女の関係を知っている友人が気を利かせて、彼女のテーブルに数人を集めて彼女も含めて談笑を始めました。
友人が彼女と会話を始めると、懐かしい彼女の声が昔の思い出を蘇らせてくれました。
彼女とは多くのデートをする事は出来ませんでしたが、学校からの帰りに公園のベンチで互いの事をもっと知ろうと色々な話をした事が思い返されました。
「久しぶり・・・元気にしてた?」
「ええ・・・○○君も元気そうでよかった・・・でもちょっと太ったね。」
確かにあの頃よりかなり太った私は、あの頃と変わらない彼女の前で気恥しい思いでした。
やっと私と彼女が話し始めたのを見て、私の友人達は気を利かせたのか一人二人と席を離れ、彼女と二人きりにさせてくれました。
私は多少酔っていた事もあり、彼女の私生活に立ち入った事まで訪ね、ご主人とは既に死別しお子さんは家を出て今は一人暮らしである事まで聞き出しました。
「今日だけじゃ、あの頃から今までの間の事、全部聞けないよね・・・今度ランチデートしてよ・・・変な意味じゃなく、本当に話をしたいだけ・・・二人きりがダメならみんな誘ってもいいし・・・」
私は年をとっても変わらぬ彼女の笑顔を見て、あの若い頃と同じように心時めかせていました。
周囲からは、ご主人とは死別されてますが既婚者である彼女を口説いているように見えたはずです。
彼女はそれを直ぐに察知して首を縦には振りませんでした。
ですが私はようやく彼女とLINEでの連絡が出来るようお願いし、その日はそれだけで別れました。
私は翌日から一日に数度彼女にLINEしました。
内容は他愛もない事ばかりで、昼食に食べた○○という店の○○が美味しかったとか、職場の同僚と居酒屋に行った時に同僚の愚痴を散々聞かされた事などです。
毎日のように来る私のLINEを彼女が迷惑に思っていないか気がかりでしたが、彼女は必ず返事を返してくれましたし、一週間もしないうちに彼女からも近況報告が来るようになりました。
私は毎日のLINEで互いが多少打ち解けたと感じ、思い切ってまたデートに誘ってみました。
彼女からの返事は翌日でした。
ランチではなく、高校生の時に入学後直ぐに遠足のような行事で行った山にまた昇りたいという内容でした。
私の記憶にはその遠足のような行事の記憶が殆ど無かったのですが、その頃の写真を引っ張り出してみると、確かに山頂で撮った昼食の写真や集合写真がありました。
私は直ぐに快諾し日程を調整して彼女とその名もない山に行くことにしました。
その日は晩秋の平日とあって、紅葉の時期も終わっていることから、人は殆ど見当たらず麓の駐車場に着いた時は、広い駐車場に車が2~3台止まっている程度でした。
私達はあの頃を思い出しながら、誰もいない山道をゆっくりと登り始めました。
彼女は私とやや距離を取りながらではありましたが、昔登った時のことを楽しそうに語ってくれました。
山頂に着くと彼女が作ってきたサンドイッチと熱いコーヒーでランチデートを終えました。
楽しい時間は瞬く間に過ぎていくもので、暖かいコーヒーを飲み終えると私達は下山道に向かいました。
下山道の終点は登山道の入口と同じですが、緩やかな下りが続く広い道と、渓谷沿いのやや険しく狭い道をいく2本に別れていました。
下山道に向かう僅かな人たちの殆どが緩やかで楽な道を進んで行きますが、あの若い頃に辿った道を行きたいと、彼女は私に見向きもせずに険し方の道を進んで行ったでの私も後を追いました。
気が生い茂る狭く険しい山道は私達にはつらく、人の気配のないうす暗い道を息を切らせて進んで行きました。
その途中で岩の多い道に出た時、彼女が岩に躓かない様に私は先に渡って彼女に手を伸ばしました。
彼女は私の手を取り、勢いよく私に向かってジャンプしました。
その時の彼女の柔らかな手の感触と、ジャンプした彼女を抱きかかえるようにして支えた時に感じた彼女の髪の香りで、私は彼女に対して昔の友人というだけではない感情になっていた事は言うまでもありません。
きっと彼女もそうであったと信じています。
その後、私は彼女をの手を握ったまま歩き始めましたが、彼女は拒むどころか私に腕を絡め体を寄せてきました。
私はたまらず彼女を引き寄せきつく抱きしめながら唇を重ねました。
彼女も拒む事無く私を受け止め、彼女もまた私を抱きしめてくれました。
私はキスをしている間、あらぬ想像をして股間を膨らませてしまったのですが、彼女もそれに気付いていたに違いありません。
彼女は気付いているうえで更に私を強く抱きしめたのだと思います。
私達が麓に着いた時には既に薄暗くなっており、駐車場に車は無く、お店も全て閉まっていました。
私達は誰もいなくなった駐車場で車に乗り込みました。
私は助手席に座る彼女の手をとり引き寄せると、彼女も素直に私の肩に頭を乗せてもたれてきました。
「Mさん・・・貴方を抱きたい・・・」
「・・・もう・・・40年遅いよ・・・」
私はエンジンをかけ、ラブホテルを探しました。
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